ベトナム ビントゥアン省 ラージー町 孤児院 平成25年3月~
平成25年に初めて訪れて以来、昨年の8月までに5回の訪問を重ねてきました。
ベトナム最大の都市ホーチミン市からバスで3時間程の小さな田舎町に当施設はあります。
いつ訪れても子どもたちは笑顔で迎え入れてくれ、悩みや不安など感じさせることはありません。
しかし、青年期になっていくにつれ、自分自身と向き合う中で、子どもたちは葛藤し始めます。
家族という存在や今後の生活への不安など、周りの人とは明らかに違う状況に向き合うことになります。
孤児院に入所する年齢や状況によっても、悩みや問題は違いますが、
数回の訪問の中で、
「できる限り家庭のような雰囲気を作る」
「信頼関係を形成し、気軽に何でも話せる関係を築く」
といったことを意識し、接していました。
初回の訪問では施設側の要望もあり、鉛筆やノートなどの文房具、鍵盤ハーモニカやリコーダーなどの楽器を、複数の大学生で手分けしながら運び届けました。
文房具をもらい笑顔を見せる男の子、早速楽器を手に取り鳴らし始める女の子、日本のノートのキャラクターに好意を見せる姿も印象的でした。
2回目以降の訪問では、現地のベトナム人の大学生らと訪問したり個人で訪れたりして、施設の状況や子どもたちの様子を伺いました。
新しく入所してきた子どもに対しては、特徴や生活の様子、入所した背景を職員さんに聞き、以前からいる子どもたちには、訪問の回数を重ねるたびに、周りには話せないより深い話を聞くことが可能となりました。
親の身勝手な行動により放置された子どもたち。
行き場を失い、生きていく希望など見出せない子どもたち。
幼少期の壮絶な経験から大人や社会に対して反感を抱く子どもたち。
いずれにせよ、大人の身勝手な行動が何の罪もない子どもたちの人生を狂わせることになります。
道路に放置されていた子、酷い虐待に遭い家から放り出された子、親が急に失踪し残された子など、理由は様々ですが、親を憎んでも仕方ありません。
今を、未来を生きる子どもたちに少しでも人生の素晴らしさや生きていくことへの希望を見出せてあげられたらなという思いから、活動を展開してきました。
現在は、孤児院を退所して社会に出ていった方と連携を図りながら、今後の具体的活動を模索しています。今後も施設との密な連携を図りながら、子どもたちの明日のために活動をしていきます。