いつしか私はベトナムに通っていた。お金を貯め、休みができれば、すぐにベトナムを訪れ、まるで故郷に帰省するようになっていた。
テーマはもちろん、『自分なりの福祉を問い、考えること』
日本国内においても各種施設でボランティアや実習を経験してきたが、ベトナムといった現場が頭を離れなかった。ベトナム人の生活、福祉施設で暮らす人々の想いについてなど、もっと知りたいことがたくさんあった。
何度訪れても毎回歓迎してくれる現地の人々。そして、関係を築けたからこそ聞ける本音。
そうそう、私は2回目以降ベトナム国内で1回もホテルに滞在したことがありません。少しでも現地の人の暮らしを体感し、そこからの目線で物事を捉えることが好きなんです。だから私は毎回ホームステイ。初めてベトナムを訪れた時にできた友達の家を転々とし、訪れる度にできる友達の家にもお邪魔しながら、より多くの視点から地域社会や世界を見つめていくのです。
私はこの国で何ができるのだろうか?
ベトナムで私は何をすべきなのだろうか?
いや、現実を知り過ぎてしまったのか?
現地の人々と共に生活し、価値観を共有し、様々な考えが頭の中で複雑に絡みあっている。
いやいや、違う。
私たちは誰かのために行動できる。
人間の強さはここにある。
私は真っ直ぐに道を走る。
いずれこの道に人が埋まり、同じ方向を向いて走る。
そんな仲間がこの同じ空の下にいるのだから。